2016年に向けて | 色塾BLOG-

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日々のビジネス・社会に対する思いや、起業に向けた考え、読書に対する感想など様々な話題を、海外で働くマーケターとしての第3者の視点から展開。

1年ぶりのブログ。「己は何者で、何を成し遂げんとするのか。」ということへの整理とその表現をし続けていくことは重要と思い、またチャレンジしてみることにしました。

大袈裟な表現が一部の方には不快に感じるかもしれませんが、ご容赦ください。

2015年の1月。僕が決めたこと。
それは、「正心誠意」行うこと。

正しい心で人に対して誠実に真っ直ぐに向き合い、単なる勝負に拘るのみでなく、横綱相撲を真っ直ぐ取る。変化球を投げるのではなく、ド・ストレートで勝負をすること。

事業で言えば、当然、戦略的であることなどは当然としながらも、
競合や短期的な損得などに心を惑わされず、思うことに誠実にあり続けること。

全てが完璧にできたわけではありませんが、1年間、このことを意識から外すことなく、真っ直ぐ勝負してきた感はあります。

人生の多くの時間を自分勝手な考えと変化球で凌いできた僕にとって、この「正心誠意」はとてつもなく大きな課題でしたが、この点に限れば、やっと自分を人生の主人公として置き、何を言われても、俺は誠実にやっている。と言い切れる。真っ直ぐあり、真っ直ぐあり続けることができた初めての1年だったかもしれません。

この4月にエイチという会社を作りました。
「「エイチ」って何でエイチなの?」ってよく聞かれます。

説明しても、うまく理解していただけるかわからないので、いつも「人類の叡智(英知)」などと答えていますが、「大いなるもの(Something Great)=エイチ」だという説明を初めてここで明らかにします。

エイチは、我が子を含めた次の世代が、この世に生まれ、人生の多くの苦難があるかもしれない中で、その使命を全うする場所と環境を、少しでも良い形で残すための事業であり、教育の場であります。

簡潔にいうなれば、「循環型社会」をつくるための基盤であります。

循環型社会とは、ただエコのように思われることがほとんどなのですが、本質的には、
・「モノ(見える価値)」が大事な世界から「ココロ(見えない価値)」が大事な社会への変遷です
・「自分」が大事な世界から、「公」へと統合される社会への変遷です。

これを達成するために、一人の人間ができることや時間が限られている中で、僕はどこに自分の人生を投資するのかを考えました。

やはり、「教育」であると思い教員免許の取得も試みましたが、それだけで世の中全体を良くすることは無理と考え、時間の使い方を変え、「事業家」として、「モノ・空間・エネルギー・時間・ヒト」が循環をする社会にするための事業をつくることに決めたわけです。

「ココロイロ」もしかりです。
「イロ(色)」と「ココロ」を統合させる事業が「ココロイロ」です。

般若心経に、「色即是空、空即是色」という言葉がありますが、
「シキ(色)」は手に取れる物質世界であり、「空(クウ)」は見えないココロなどの世界だと捉えています。

これを統合する事業が「ココロイロ」です。30歳になった歳の2013年。
折り返し地点で、「三十にして立つ」という言葉に沿うようにして、「ココロイロ」の事業を立ち上げました。

戦後の祖父・祖母は、たぶん戦争真っ只中の中から、我が国を植民地にされてはならん!と必死に頑張ってきたに違いありません。

父母の世代も、戦後の貧しい時期に生まれ、より豊かな国にしようと必死に頑張って高度成長を実現したに違いありません。

それぞれの時代に、それぞれの立場における大義があり、それを全うしていく訳ですが、全ては中庸に戻ります。

そういう循環の中で「進化」を作っていくことが人類の役割だと考えています。
次の未来はどうなっていき、どこに向かっていくべきなのか。

真剣に考えた末に、至った答えが、「ココロイロ」であり「エイチ」でした。

資本力も、なにもないなかで、2つの事業を同時に運営することはタフです。

全てが順風満帆な訳は全くありません。日々、必死の覚悟でやっています。
振り返る時間など一瞬もなく、前を見ても課題の山だらけです。

でも、僕が登っている山は、とてつもなく大きいものだから、課題が大きいのは当然だと思っています。
ビジネスをただやっている訳ではありません。金儲けをするための事業をしているつもりも全くありません。

僕は、20代後半に、2つの大きな決断をしましたが、これは僕にとって、最良の意思決定でした。

1つめは、
P&Gを辞めた26歳の時点で、「生活レベルをあげない」ことでした。
金銭などに自分の人生を左右されず、慎ましくも妬むことのない幸せな日々があるのはこのおかげです。

2つめは、
27歳で「志を支えてくれ、華美な生活を好むことのない」妻と一緒になれたことでした。

だから、何かの不自由さに縛られることも多くなく、ただ家族との時間が取れないことには悩みながらも、事業に集中できていることができています。

2つの事業体で事業を運営をするという意思決定も大きな決断でした。

財務に明るいわけでないので、最良の決断だったかはまだ後になってみないとわかりませんが、キャッシュを持続的に生む「ココロイロ」があり、そのキャッシュで「エイチ」という踏み込む必要のあるプラットフォーム事業を行うことで、他人資本をいまのところ受けずに「利益を生むこと」だけに心を完全に縛られることなく「価値を創る」ことに心を割きながら、本当に多くの仲間に支えられながら事業を運営できているのは幸いなことです。

これらのすべての準備と意思決定を積み重ねてきて、今があり、
「事業を通じて社会を変革して良い世界を作りたい」と思って、日々、命を使っています。

自分で責任を取ることのなかったサラリーマン時代よりは、何百倍もの負荷をかけ、
覚悟をもって日々やっているつもりですし、そのプレッシャーと負荷はかなりしんどいです。

別にこんなやらなくていいのに、と思い、隣の芝が青く見えるときだってあります。
そんな自分の弱さに呆れ返ることもありますが、「もう休憩しようか?」という問いをすでに封印し続けてはや3年が経とうとしています。

時間もないし、熟考したりしている暇もない。
一瞬で意思決定をしていきながら、全て試行錯誤、トライアル&エラーの中で物事を前に進めていく。

「なんでこんなことやってんだろ?」と逃げたくなることもありますが、
そのように導かれているからやるしかない。と思ってやっています。

ゼロからイチの価値を生み出していく。
そのことの難しさを日々痛感しています。

必死でやっていますが、3年も経ったのに、まだまだ0.1%も思いを実現できてない。そろそろちゃんとあらゆるレバレッジをかける決断をしないといけないのかもしれません。

ただ、方法論だけにとらわれず真っ直ぐやりたい。

課題感としては、「愚直に価値を追求し、愚直に行動する。」こと。

これが、僕ができていないことなのかもしれないと痛烈に反省をしています。

仕組みを考えたりすることは比較的上手な方ですが、愚直にユーザーの気持ちを汲み取り向き合う。

ひとりひとりの気持ちと向き合う。価値あるものを愚直に追求する。

価値は、日々の実直な行動の積み重ねと、まっすぐな思い。
虚構や表面の取り繕いは意味がない。価値を生まない。

商売の原点は、リピートと口コミ。
要は、ちゃんとお客さんに対して誠実に優しくいられるかということ。

本当にそうなんだと、実感することが多かったです。

サービスは、まず、なにもかもユーザーの理解。
自分のことばかり考えて、ユーザーはそっちのけじゃ価値は全然積み上がらない。

仕組みで勝てるビジネスだって、実はいくらでもある。
利益を生める方法なんて、いくらでもあるかもしれない。

でも、そんな仕組みとかビジネスモデルとか、中身あるのか?
そんなものは、頭でできた空想であって、いくら作っても、お金を産むかもしれないけど、
価値になってないことにも気づいた。

価値は、まっすぐに、まっすぐに、コツコツ相手に向き合って、積み上げたもの。
強みは、持続と継続をしたものに宿る。

自分が、その手のことが得意なほうではないことは知っていましたが、頭を強く打たれるような気づきに
出会ったので、そんなことはいってられません。2016年はもういよいよ改善しなければなりません。

すべての判断基準は、
・相手の気持ちを理解できているか。
・相手の目線から物事を見て、考えられているか。
・正しい誠実な判断をしているか。人として正しいか。
・ロジカルに、構造的に、仕組み的に、いいか。

あらためて、事業の最も大きなドライバーは、「人格の研鑽」なのだと思う。
・ビジョンを明確に語り、どれだけ多くの人に支えてもらえるか、助けてもらえるか。
・相手に寄り添い、理解をし、必要なものを愚直に届けられるか。
・どんな誘惑にも目を向けず、正しく誠実な判断と意思決定をし続けられるか。
・すべてをヘッドレベルで終わらせず、一ミリでも前進するように行動につなげられるか。

これがすべて。

それを一分一秒休まずに積み上げていくこと。
それだけ。

本当にこの1年。

様々なことを経験させていただき、本当に心底尊敬する大人の方と時間を共にしたり、少年のような気持ちで純粋に憧れるような人に出会ったり、真剣に前を向く同世代の仲間に出会った。

僕が関わる限りにおいて、それは、事業であっても、人であっても、ユーザーであっても、
すべて、幸せにしたいし、魂に火を灯していてほしいと思っている。

改めて、「信頼」と「愛」をもっと深く持ち、人格の磨かれた1年後の自分に出会えるよう、
日々研鑽しながら、真っ直ぐ歩んでいこうと思います。


人間の根本は、信頼と愛。
人生の目的は、人格の研鑽。


さて、来年はどんなチャレンジをしようか!
愚直にいこう!楽しみだ。